今回は、よくテレビでしてる空気清浄機の効果を科学的に調べている論文を紹介しようと思います。

まず、紹介するのは、"殺菌性能を有する空中浮遊物質の放出を謳う各種電気製品の, 寒天平板培地上の細菌に対する殺菌能の本体についての解析"というタイトルの論文です。

結論は、広い空間では、殺菌効果には期待できないが、極めて小さい空間内の寒天培地上では、効果はある。しかし、こういった機器から放出される特殊物質と言うより、同時に放出されているオゾンによる殺菌効果で十分説明可能と言う結論です。つまり、特殊物質ではなく、オゾンの関与を疑う必要がある。とのことです。

殺菌効果について
日常生活のような広い空間内ではあまり効果はない。
(ただし、極めて小さい空間内では効果あり)

この実験手法は、
プラズマクラスター,ナノイー,ビオンの3 機種について,腸球菌,黄色ブドウ球菌,緑膿菌,セレウス菌を使用。"一定数の生菌含有菌液を普通寒天平板上に塗布して閉鎖空間に対象機器とともに置き,機器を2 時間運転させた後培養し,出現するコロニー数を,非運転環境下においた対照のそれと比較した"
つまり、菌が含まれている液を寒天の上に乗せて閉鎖空間に空気清浄機と一緒に置いて空気清浄機を2時間運転させた後に菌を増やして、出現する増殖可能な微生物細胞の数を空気清浄機無しの環境と比較した。
と言った感じです。

感想:
液体に溶け込んだ細菌だと、このような結果になることが分かりました。
結果を見ると、他の2機種と比べてプラズマクラスターは、台所に置いたパンのカビの生え方が抑えられると言うことなんじゃないかなと思いました。
プラズマクラスターだったら、電気をプラズマ状にして空気中に放出されているのは何のためなのかが疑問になりました。
それと、実験に使用されているのは菌であってウイルスの研究がされていないので、このあたりをどのように考えれば良いのか疑問が残りました。
そして、試験環境が現実的(実際の使用する空間では、いろんな雑菌が浮遊しており、空気清浄機がどのように効果が出るのかを期待する。)ではないので、そこも疑問になりました。


空気清浄機のウイルスに対する殺傷力の研究をしている論文があるかもしれないがまだ見つけれていない。


2020/12/19日 追記:エアフィルターの効果を研究してる論文はNCBIなどに大量に転がっているが、イオンによる影響を調べている論文が数少ない。

文献: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansenshogakuzasshi/86/6/86_723/_article/-char/ja/